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レム・コールハースも手掛けた、メルボルンの文化を体験できるポップアップイベントスペース ― MPavilion

Founding Story

『MPavillion』は、オーストラリアの建築・アート等の文化レベルの底上げを担う慈善団体・Naomi Milgrom Foundationが主導するかたちで2014年に始まった。稀代の建築家がデザインしたパビリオンが、Queen Victoria Garden内に毎年10-2月の4カ月間だけ現れる。

Feature

ガーデンシティと呼ばれるメルボルンは毎夏、『MPavillion』を通じて、市民に世界最高峰の知的インスピレーションを提供している。4か月間だけのパビリオンのために呼集される建築家は世界最高峰というに疑いの余地はなく、2015年はスタジオAL_A、2016年はスタジオ・ムンバイ、そして、2017年はOMAを主宰するレム・コールハースがデザインを担当してきた。

『MPavillion』は、建築家たちの知名度を生かしながら、地元のアーティストや専門家の参画を促し、ワークショップやインスタレーション、講演等を施設内で連日開催している。ただ、「観る」だけではなく「使う建築」を目指し、イベントを企画・運営することで、足を運ぶ動機を強固なものにしているのだ。夜間ライブや子供向けプログラムもあり、建築の熱心なファンでなくても人それぞれ楽しめるだろう。2017年の実績では、133日間にわたって477の無料イベントを開催し、約12万人を集客したという。ちなみに、折角つくったパビリオンを壊すことはせず、市内の動物園や大学に移築し、街の文化資産として根付かせている。

中心地から10分とアクセスのいい『MPavillion』は、ちょっとしたスキマ時間に訪れるのに好都合だろう。10-2月にメルボルンを訪れる際は憶えておいてほしい。

Specs

MPavillion2018

・開催時期:2018年 10/8(Mon)~2019年2月
・デザイナー:カルメ・ピノス
・ワークショップやインスタレーション、各種講演プログラムはすべて無料

・住所: St Kilda Rd, Melbourne VIC 3004(Grant Station近く)